不適切な飼育管理、社会的接触の欠如、発情や運動などに関する欲求不満、霊長類への理解の欠如によって、行動に問題がおきる事が多いのにもかかわらず、去勢や避妊手術を受ける飼い主さんはほとんどいません。
80年代(私の学生・代診時代)に、霊長類(サル)を飼われる場合、ほとんどの飼い主さんは予防のための注射や飼うことのリスク、また動物の生態を詳しく調べたり、獣医師に相談されておられました。(飼い主さんから、我々が教えていただく事も多々ありました。)また、ほとんどが、実験施設などから入手経路が明確であるものが多かったので、比較的安全に診療する事ができました。
しかし、今は事情がかなり異なります。お電話などで、問い合わせがあった場合、ほとんどの方が、予防接種やウイルス検査をしてされておらず、また、動物病院に来る事自体が初めてであるとか、飼い方・人獣共通感染症や伝染病の知識もお持ちでないのです。また、そのサルの入手経路もまず把握されておられる事はありません。”どこそこのペットショップで購入した”が限界なのです。
これでは、我々に危険が及びます。私ひとりならばまだしも、病院のスタッフや患者さんや私の家族まで、危険をさらす事は院長としてはできかねるのです。 |