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ダニといってもたくさんの種類があります。その中でも動物にとって恐いのは『マダニ』と呼ばれるダニです。一般家庭にいるダニ(ハウスダストマイト)と違って体も大きく堅い外皮に覆われています。ダニは昆虫とは違います。触覚がないことと、ほとんどのダニには目がなく脚は8本です。頭や胸、腹の区別はありません。どちらかというとクモに近い生物です。またダニは世界中に分布し、約10000種ほどが確認されています。ただし、これは一部かもしれません。

 
マダニの種類
大きさ
生息地
フタトゲチマダニ ♀:3o、♂:2.3o 全国
タネガタマダニ ♀: o、♂: o 全国
キチマダニ ♀:3o、♂:2.4o 全国
オオトゲチマダニ ♀: o、♂: o 全国
ヤマトマダニ ♀:3.2o、♂:2.3o 九州以北
シュルツェマダニ ♀:3.2o、♂:2.5o 北海道、本州、九州の山岳
ツリガネチマダニ ♀:2.8o、♂:2o 本州、九州
タカサゴキララマダニ ♀: o、♂: o 西日本
クリイロコイタマダニ ♀♂とも:3o〜4o 沖縄、九州、西日本

放牧牛の小型ピロプラズマ症や犬のバベシア症の媒介者として知られ、全国に広く分布するフタトゲチマダニは、早い地域では3月頃から活動を開始します。非常に小さく発見が困難な幼ダニも、2月頃からすでに病原体の媒介をすべく活動しています。人獣共通感染症である野兎病やヘパトゾーン病の媒介者として知られるキチマダニは真冬でもしばしば寄生が確認されます。

 
 
寄生中
地上生活
幼ダニ
3〜5日間吸血
孵化して寄生するまで
若ダニ
3〜5日間吸血
約10〜18日
成ダニ
約7日間吸血
約12〜20日

マダニは卵から孵ると6本脚の幼ダニに、脱皮して8本脚の若ダニ、再度脱皮して8本脚の成ダニと4段階の成長過程があります。
次の段階へ成長するために吸血し栄養を摂取しています。

マダニは卵以外それぞれ動物に寄生して吸血します。
成ダニは寄生して1週間ほど吸血し交尾をします。幼ダニや若ダニは発育のために吸血します。脱皮のときは充分吸血し、地上に落下します。10〜20日ほど地上で生活して再度寄生のチャンスを狙っています。成ダニが吸血するのは産卵のためで、飽血すると吸血前の100倍以上の体重になります。1匹の♀ダニが約1ml吸血します。十分吸血した雌は宿主から離れ地上で卵を産みます。一匹の雌が産む卵は数千個になります。(30日間で2000〜3000個)卵を産み終えると雌は死にます。卵は数週間後に孵化し宿主が来るのを待ちます。マダニはこのサイクルを繰り返します。
 
マダニは宿主が現れるまでの長い時間、草や葉の上で生活しています。マダニが寄生しやすい場所は公園や川原などの草むらです。ここには幼ダニも若ダニも成ダニもいます。それぞれが寄生主(哺乳動物)が近づいたら直ぐに移動できるように草に登り、葉っぱの先で動物がくるのを待っています。人間にも寄生することはありますが可能性は低くなります。
 
マダニは、幼ダニ、若ダニ、成ダニの各発育期それぞれに、ゆっくりとした吸血と急激な吸血を行います。始めはゆっくりとした吸血で、その後に急激な吸血が行われます。これは各発育期のマダニが飽血し、寄生宿主から自然に離脱する12時間〜24時間前にのみ観察され、この急激な吸血で成ダニでは離脱時の体重が寄生時の約100倍にもなります。 寄生開始から、離脱寸前にみられる急速な吸血までの間、マダニはゆっくりとした吸血を続け、吸血した血液の濃縮により、特定の必須物質を選択的に取り込み、余剰水分や塩類イオンを唾液として宿主に戻します。このゆっくりとした吸血時の体重増加は吸血前の10倍程度です。
ゆっくりとした吸血時に宿主に還元される唾液には、様々な生理活性物質が含まれ、宿主にしばしば重篤な影響を与えます。また、唾液を通じて、マダニが保有する病原体も同時に伝播されます。バベシア症、ライム病、ヘパトゾーン症などの病原体の伝播は、マダニの長い(5日〜2週間)寄生期間の極めて早い時期、わずか24から48時間で完了するといわれています。