ノミの予防と駆除
  マダニの予防と駆除
  フィラリアの予防と駆除
  その他の寄生虫
  デンタルケア
  虚勢・避妊手術の勧め
  定期健診で早期発見
  ワクチンコントロール
  薬草について
  健康食品について
  毒性のある植物
  中毒を起こす物
  日射病・熱射病
  その他の事故
  犬のBCS
  猫のBCS
  動物に必用な栄養
  アレルギー
  血液検査
  尿検査
  季節の健康管理
  フード
  グッズ
  サプリメント

経験的治療について
どんな治療法でも明らかに有害でない限り、効果があるように見えてえてしまいます。

期待した結果が何らかの治療をした後に一致して起こるので、多くの人々がこの結果を関連付けて考えてしまいます。一般に一つ、あるいは二つの対照をおかない観察に基づいて意見を言う事があまりにも多く、主観のみで客観性に欠けています。結論を事実に押し付けるのではなく、再現性のある観察(事実)から客観的に結論を引き出すよう常にしなければん。

一般の人、健康食品業者、流通業者、医師、獣医師が、薬や健康食品の効果について、非現実的な考え方をしばしば宣伝しているのも経験的主義が横行しています。

病院にこられるかたの多くは、病気や問題をどう診断するかではなく、どう治療していくのかと質問する人がほとんどです。
例えばこれは、射撃で ”用意!撃て!・・・狙え!といっているのと同じ事なのです。病気に薬を処方するかという点にばかりを気にして、薬をどう処方するかという本質を見失ってしまっているのです。

われわれ獣医師は多くの臨床的観察や経験と、対照をおいた臨床試験の成績の間にあるきちんとした概念上の違いを理解していかねばなりません。

臨床的研究がひとつの症例報告から始まり、症例の集積が行われ、無作為化した対照を置いた二重盲検試験をして、経験的治療でなく化学的治療に変わっていくのです。

これらは、発見のための方法でなく実証の手段です。

経験的観察や治療は重要ですが、適切な対照をおいた試験のいくつかの成功例だけをそのまま受け入れることは危険であり、治療効果についてきちんとした根拠や証拠がないと、劇的な効果に目を奪われ、失敗や無効は忘れ去られて、そして民間療法が指示され誇大に表現される事になっていきます。

 
 
最近、マスコミを初めとして、獣医師や飼い主の間で、通常とは異なる”治療”、例えば自然療法、カイロプラクティック、鍼灸、ホメオパシーについて関心と利用が高まっています。いわゆるホリステック治療と呼ばれるものです。ハーブ療法も、民間療法も、鍼灸療法も、漢方療法も、安全で効果があり非常に有効な治療法として、一般やマスコミで騒がれています。
しかし、マスコミなどで紹介されているのは、成功例や効果があった症例だけだということを忘れないでください。にわかハーブ療法で中毒症状をおこしたものや鍼灸・漢方で効果のないものや悪化している例も沢山あるのです。しかし、そのような症例は紹介されることがありません。むしろ、間違った現代医療で悪化した例などがあたかも現代医療をして効果がないどころか悪くなったような報道や報告がなされています。これは大変誤った考えです。
獣医師の役目は、人の健康(心と体)を守り、そして動物達が自己修復できるように援助をし、動物達にとって最高の環境を作ることです。飼主さんに動物にあったきちんとした食事を勧め、病気−器官の機能低下ーを克服するために薬を処方し、外科的な治療を施し、動物の自然治癒力の補助をし、それに適切な環境を整えることです。
私たちが動物にすべきことは、動物が健康を維持できるような環境を整え、また、動物が病気や怪我をおった時にはその自然治癒力を高められるよう手助けをする事なのです。
 

  

 
現代医学とは−病気を診断・治療するの科学的・統計的な原理と技術を用います。
現代医学は、病気を生化学的に分析をしていきます。そして、理論的に病気を解析し、それに対し効果的に治療するためにはどうするかを考えるのです。また、経験的に効果のある薬がどんな成分がどう作用するかと解明し使用していくのも現代医学です。そうする事により、情報が共有され、医療技術の均一化がはかれるのです。西洋医学の欠点として、部分医学とよく言われますがこれは間違いです。現代医学、西洋医学とも、全身療法が基本であり、心身一体という考え方は変りません。ではどうして、部分医学などといわれるようになったのでしょう。これは、宗教と哲学がからんできます。現代医学の基礎は、17世紀のヨーロッパに始まります。化学の概念が現れ、教会との関係が問題化した時代です。その歴史の中で、心のケアをするのが教会で、身体をケアするのが医学と分業の概念ができたのです。同時に、教会では魂を持つものは人だけで、動物には魂がなく感情もなく本能のみで行動すると位置付けられてしまいました。(このことはペットロス問題と重要な関係があります)そのため、病気とは体の部分が機械的に故障を起こしたものだと考えるようになり、西洋では精神性ー心と体−は離されて考えるようになったのです。幸い、日本ではこのような考え方は昔からありませんでした。気と心と体。むしろ、精神面を重視し”病は気から”と考えられていましたし、動物だけでなく、物にも魂があると考えられてきました。現代医学は身体のバランスを取り戻させるために、症状や場所を標的にした治療が一般的です。そのために極端な表現として、部分医学とか全体を診ずに部分だけの療法と言われてしまう結果となったのです。ただ、そのようにいわれる人たちは本当の医学や医療を理解し、実践しておられないと思います。
代替医療とはーホリスティック医療とも言われ、精神的な要素が強く、大昔から存在していた療法を用います。東洋医学や土着医療や昔ながらの過程民間療法などにあたります。心と体の相互作用を認め、全体は各部の総和より大きいと考えるのがホリステック医学なのです。
代替療法は調和を回復させるのが目的です。そのため、薬は症状のみに合わせたものでなく、多くの薬草に含まれる物質を使うことが多いのです。しかし、現在日本でおこなわれている多くの代替療法は、この病気にはこれ、この症状にはこれと、現代医学もどきのような使われ方をされております。これは、本当の、ホリステック医療の意味を知らないからにほかなりません。ホリステック医療は、現代医学以上に、経験と観察力が必要である事を付け加えておきます。また、”さじ加減”、”秘薬”、”秘技”、”秘伝”が重要となるのです。

根拠に基づく医学ー医師は確信の持てないものも試みなければならないというのもまた事実です。医学的な問題が必ず研究により解決するとは限りません。現代医学も、過去の経験を通し研究され確立されてきたのです。ただ、それを行うのには、きちんとしたインフォームドコンセントをする事を徹底しなければなりません。
そして、”効果が確かであり安全である”という経験的根拠がなければなりません。
また、医師も獣医師も自分達の行う行為とその結果を常に評価していかねばなりません。(多くの民間療法や漢方や鍼灸や健康食品は、改善した結果しか見ず、効果のなかったものや悪化したものは切り捨てていってるのが現状ですーつまり正当な評価がなされていないのですー)根拠に基づく医学は私達の知っている事実だけではなく、知らない事も考慮しなければならないのです。病気の原因がわかるまで治療をおこなわないのでなく、根拠に基づく療法を積極的に行っていかなければならないのです。治療が病気を治すメカニズムが知られる前から、経験的医療はおこなわれていました。代替療法を動物に使用するときに注意しなければならないのは、どの療法をどのような場合に使うべきかをきちんと知らなければならないということです。


 
さて、問題の薬草・漢方ですが用いるには生薬の種類によっては副作用があることを認識し、有害作用が起こる可能性もあることを知る必要があります。人が効いているから動物でも問題ないだろうという考えは間違いです。自然のもの、天然素材は化学物質を含まないから安全というのも間違いです。自然は常に化学合成を繰り返しています。薬草や漢方はビタミン類などの栄養補助食品と同じように【栄養補助食品健康教育法】1994年制定の法律で規制されています。この法律には業者が効能を証明したり、安全性の情報を提供する、製品品質の管理といった義務はありません。よく用いられている生薬について紹介しておきます。
ほとんどの薬草は錠剤や成分を抽出した液状で市販されています。薬草は投与量が多すぎると毒になることがあります。一般の市販薬には不純物が混入していたり、何種類かの薬草を混ぜ合わせたものも多く見られます。中には動物に危険なものも含まれています。市販品を与えるときは前もって獣医師によく相談するようにしましょう。

健康食品については大阪府が発行したものを抜粋して転記してありますのでごらんください。

詳しく知りたい方は大阪府のホームページをごらんください。
食の安全・安心ホームページ
無承認無認可医薬品関連情報

動物用医薬品に使用されています。
薬草名 薬成分 用法・効能
アロエ アントラキノン  創傷、皮膚炎
マリーゴールド 精油 耳炎、胃炎、切り傷
センナ アントラキノン  便秘
朝鮮人参   糖尿病、腫瘍
サンザシ トリテルペン酸 心筋障害、心不全
イチョウ テルピン 循環器疾患、痴呆症
ツクシ サポニン、グリコシド 利尿、腹水
ホップ   鎮静
パッションフラワー アルカロイド 鎮静
ラズベリー   難産
ノコギリパルメット シトステロール 良性前立腺肥厚
オオアザミ   肝炎、肝硬変、解毒
タンポポ   利尿、尿結石、肝細胞障害
生姜   吐気、胃潰瘍