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血液は体に必用な物質を必用な場所に運び、不要になった物質や毒を受け取りからだの外へ排出しています。
血液検査は 少量の血液を採取し、成分を検査することでその動物のおおよその健康状態(貧血、腎臓機能・肝臓機能の低下など)を知ることができます。あくまで病気であろうという可能性は判断できますが血液検査だけですべてがわかるというわけではありません。検査値で異常があれば他の検査とあわせて診断します。
自分の体のことを言葉でいえない動物にとって、動物病院での血液検査は重要な診断手段の1つです。
特に犬や猫は、6〜7才くらいから体の各機能が低下してくることがあるので、病気の早期発見に大変重要な検査です。

 
体に必要な酸素と不要になった二酸化炭素を運びます。赤い色はヘモグロビンで酸素を運ぶ働きをします。ヘモグロビンは血色素ともいい、蛋白質のグロブリンと鉄を含むヘムが結合したものです。 心臓から送り出された赤血球は酸素を運び(酸化ヘモグロビン)鮮やかな赤色をしていますが帰り道では体から発生する二酸化炭素を運ぶ(還元ヘモグロビン)ため黒っぽい褐色になります。
参考)
貧血は赤血球に異常が生じた状態です。 タマネギなどには溶血性貧血を起こす物質が含まれています。腎臓病などの慢性疾患では症状として貧血が見られることもあります。
白血球は好中球、好酸球、好塩基球などからなりなどその性状の違いから次のように分けられています
好中球 細菌やウイルスなどから体を守る働きをします。
白血球の中で一番多く存在し、外部から侵入した細菌、ウイルス、その他の小さな異物を食べ、感染症などから体を守ります。
好酸球 アレルギーなどに関与しています。
大型の細胞で酸性を示します。 アレルギー症状が出たときは増えています。
好塩基球 リンパ球とともに体を守ろうとします。
心身に異常のない正常な状態ではほとんど見ることはありません。
細胞質に塩基性の顆粒があり中毒症状の時などに多く見られます。
その他 大きな核をもつリンパ球は免疫システムに重要な働きをします。他には炎症が長引いたときなどに見られる単球という大きな細胞があります。
白血球は白血球数(WBC)と白血球の百分比(%)で表されます。
白血球の百分比は炎症性と非炎症性の疾患を区別するのに使われます。
また疾病に対するストレス要因の関与も知ることができます。 ストレスや感染症などにかかると抵抗するためにそれぞれが増えたり減ったりし抗体を作り出します。
血液凝固メカニズムの重要な役割をします。
最も多く見られる血小板減少症は免疫介在性、骨髄低形成、脾内貯留、播種性血管内凝固などで見られます。
重度の全身性疾患の場合二次的に播種性血管内凝固が起こることがあります。
外に出た血液が固まらないで液体のまま残ったものです。この中にはタンパク質(食べ物として摂取されたタンパク質は、小腸内でアミノ酸に分解されて肝臓に運ばれます。 肝臓に運ばれたアミノ酸は、酵素、免疫抗体や体に必要なタンパク質に再合成されます。 そのため肝臓に障害が起こりタンパク質の合成能力が低下すると、体の中のタンパク質の量は少なくなります。 )やブドウ糖、電解質、水分、などが含まれています。
血液が血管から外に出ると血漿に含まれる線維素材、フィブリン線維が細かい網を作ります。この網に血液が引っかかり塊となります。
 

血液成分の数・形などを調べる検査で血液中の赤血球、白血球の数量や沈殿状態(濃度)などを調べます。この検査では貧血や脱水状態などがわかります。また、数値から細菌感染や白血病などにかかっている可能性もわかります。

血液中に含まれる酵素などを調べることでいろいろな臓器の状態や機能を調べることができます。血液中に含まれる成分から糖尿病などの生活習慣病を見つけることができます。生化学検査で得られるデータが完全にその動物の状態を示すものではありません。動物の健康状態を診断するには他のいろいろな検査や普段の状態を知ることも大切です。

感染症などに対する抗体を検査します。抗体反応から肝炎や癌などの可能性もわかります。










 

白血球数
(WBC)
6000〜15000個/μ?

血液中の総白血球数を測定します。異常が疑われる場合は、白血球の分類を塗抹検査で行い顕微鏡が確認します。
白血球は体内に異物が侵入したり細胞に異常があったりすると増加します。急激に増加したり、白血球数が異常に多い場合は感染症のほかガンや白血病、腎不全、心筋梗塞などが疑われます。
また、数値が異常に減少した場合はジステンパーなどの重度の感染症を患っている可能性があります。

赤血球数
(RBC)
550万〜1000万個/μ?

血液中の赤血球数を測定します。
赤血球数が低い場合は貧血(鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血等)が疑われ、逆に多い場合多血症や脱水の疑いがあります。

平均赤血球血色素量
(MCH)

1個の赤血球に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したものです。

平均赤血球血色素濃度
(MCHC)

1個の赤血球に含まれるヘモグロビンの平均重量です。この数値の低下はヘモグロビン生産の減少を意味します。
例えばビタミンB1の欠乏が原因の大球性正色素性貧血では数値が上がり、慢性疾患などの場合は数値が下がります。

平均赤血球容積
(MCV)

赤血球1個あたりの大きさの平均値です。赤血球指数とも呼ばれ赤血球の大きさの指数になります。MCVの値が正常のとき正球性(正赤血球性)といい、MCVの値が大きいとき大球性(大赤血球性)といい、MCVの値が小さいとき小球性(小赤血球性)といいます。

ヘモグロビン量
(HGB)

赤血球内にあるヘモグロビン(赤血球の中に含まれる色素物質 )を測ることで貧血の一つの指標とします。

ヘマトクリット値
(HCT)

PCVとも呼ばれます 血液中の血球と血漿の容積量を比較します。貧血の度合いが分かります。

血小板数
(PLT)
犬10〜45万個/m?
猫 30〜80万個/m?

血液中に含まれる血小板数を測定します。血液凝固に関与します。この細胞が少なくなると血が固まりにくくなります。
数値が高い場合は自己免疫性疾患などの可能性があります。

アルブミン
(Alb)

肝臓細胞で作られるタンパク質で血漿タンパクの約半分を占めています。体の中の必用な物質や薬剤などの外から投与された物質を必要とする組織まで運搬する働きのほかアミノ酸の貯蔵を行っています。 一般的にはタンパク質の低下の原因は、主にアルブミンの低下によります。 そのためアルブミンは、栄養状態の悪化や肝臓障害、腎臓の傷害などで減少したタンパク質を補填するため大量に使用されます。そのため肝機能や腎機能の程度の指標になったり、また全身の栄養状態を知る上で重要な目安にもなります。

アンモニア 再合成に利用されなかったアミノ酸はアンモニアに分解されます。
このアンモニアは体に有毒なため、肝臓でさらに無害な形に変えられて体の外へ出されてしまいます。肝臓障害が進むと、肝臓の周りに血管のバイパスが増えてしまいます。
そうするとアンモニアは肝臓の中を通らず、バイパスを通って心臓に入り全身を循環してしまいます。
つまり肝臓の中を通過して解毒されるアンモニアの量が減る結果、血液中のアンモニアが増えてしまうのです。
アルカリフォスファターゼ
(ALP)

胆管細胞で造られる(ALKP)は体内のほとんどの臓器に存在します。肝臓や胆のうに働き、胆汁の流れが悪くなったり胆のうや肝臓に異常があると数値が上昇します。 胆管閉鎖などで数値が上がると胆汁が停滞し、症状として黄疸を示してきます。
しかし、ALKPはほとんどの細胞に存在するため骨、胎盤、腸管、腎臓、白血球などで異常が起こった場合(骨代謝系の病気や慢性腎不全、悪性腫瘍など)もある程度数値が上がります。 また、糖尿病などの内分泌系疾患なども数値が上がります。

アミラーゼ
(AMY)

多糖類を分解する酵素で膵臓から分泌しているため膵臓の炎症などのほか脂肪分の多い食事を取ると上昇します。肝脂肪の目安にもなります。

ALT
(GPT)

肝細胞の中だけにある肝臓に働く酵素で異常があると数値が上昇します。
ALT は肝臓細胞の中に高濃度に存在するため、肝臓に特異的な酵素と言われ肝臓機能の代表的な検査項目になっています。 肝臓機能が低下すると毒素などにより肝細胞に障害が起こりALTが細胞外に漏れ血液中に溢れます。
また AST ( GOT )よりも ALT の方が、より肝臓の異常を反映します。

AST
(GOT)
骨格筋細胞や肝細胞に主に分布している酵素です。細胞の壊死や重度の障害で細胞の外に漏れだして値が上昇します。肝疾患でGOTが上昇するほどのものであればほとんどの場合GPT(下記参照)も上昇します。
疑われる疾患は GOT増加:肝細胞疾患(壊死、ガン)、骨格筋疾患、心筋炎など
GGT
(γ―GPT)
ガンマグルタミルトランスペプチターゼという酵素でALT同様、胆管系から出現する酵素でタンパク質を分解します。肝細胞の壊死や胆管閉塞などで血液中に流出します。

尿素窒素
(BUN)

8〜30r/?

体の中に残っている老廃物の量をあらわします。 タンパク質が使われた後にはアンモニアという毒素ができ、これが尿素窒素になります。腸から吸収されたアミノ酸はタンパク質に再合成されますが利用されなかったアミノ酸は、さらに代謝を受けてアンモニアに分解されます。アンモニアは体に有毒なため、肝臓で尿素窒素に作り変えられ腎臓から尿として排泄されます。
尿素窒素は正常な状態では腎臓から尿として排泄されるため数値が上がることはありません。 
腎機能が低下すると毒素を処理できなくなるため数値が上がってきます。
また、 肝臓内の血流量や肝臓の機能が低下するとアンモニアからの尿素への転換が少なくなりBUNは減少します。
但し、このBUNは腎機能以外にも食事や他の泌尿器の状態でも数値が上昇するので他の検査結果などと併用することになります。
数値の上昇で疑われる病気は腎不全や尿路閉塞があります。また子宮蓄膿症でも数値が上昇します。
反対に減少した場合は肝臓機能の低下が疑われます。例えば肝硬変などです。

クレアチニン
(Cre)

腎臓の働きを測定するのに重要です。腎臓にある糸球体から出されます。
クレアチニンは食事内容や、年齢、性別などでほとんど影響はなく、腎機能の状態を見ることができます。 クレアチニン値の上昇が続くようなら腎機能がかなり悪化していると考えられます。 数値が上昇した場合は腎臓機能の異常が考えられます。
また、食欲不振が続くような場合数値が減少します。

コレステロール
(CHOL)

コレステロール値は、肝臓病の重症度や黄疸の症状がどこからきているかを調べる検査でもあります。血液中のコレステロールは食べ物に関係があるように思われてますが実際には、食べ物に含まれるコレステロールがそのまま血液の中に入るのではありません。実はコレステロールのほとんどが、肝臓で合成されたものなのです。肝臓で合成された後、胆汁中に排出されます。
肝臓機能が低下すると、血液中の脂肪に大きな影響を与えてしまいコレステロールが合成されないためコレステロール値が下がってしまいます。
コレステロールは生体の細胞に含まれており内分泌系ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆体として重要なものです。コレステロールは胆汁中に排泄されるため胆のう機能が低下するとコレステロールは排泄されなくなり、その結果コレステロール値は高くなります。 黄疸が見られた場合には、コレステロール値から黄疸の原因がだいたい判断できます。
コレステロールが多すぎるときは糖尿病など生活習慣病の疑いがあります。

CALC (カルシウム) 主に骨や歯の形成と維持を行います。そのほかに神経や筋肉の働きや血液の凝固に重要な役割を果たしています。
カリウム
(K)

電解質です。ほとんどのKは腎臓から排出され、心臓の働きなどに影響しています。
細胞内に存在し細胞の損傷などで細胞外に流出し腎臓から排 出されます。カリウムは筋肉や神経の興奮の伝達に関係しています。

腎不全の猫の場合は低カリウム血症になることがよくあります。同時に食欲が落ちたりすることもあります。
副腎皮質機能が低下したり尿がでなくなったりすると高カリウム血症になることがあります。

ナトリウム

体液の浸透圧に働く電解質で細胞外液中の主要陽イオンです。 血清ナトリウム値は全身的なナトリウムバランスの指標となります。ナトリウムは血液量や体液、皮膚や腎臓などからの排泄機能にも大切な働きをします。また心臓や筋肉の収縮にも影響します。
下痢や嘔吐で脱水状態にあると数値は上昇します。

クロール
(q)

電解質の一つで細胞外液中の主要陰イオン です。体液や胃液、胆液、膵液、筋肉、肺、腎臓、心臓などにも存在します。
ナトリウムと一緒で体液の浸透圧やバランスを調節しています。

乳酸デヒドロゲナーゼ
LDH
すべての臓器や組織に含まれている酵素(乳酸脱水素酵素)で臓器欠損時(壊死など)に血液中に漏出して血液濃度が高くなり値が上昇する。
トリグリセリド
(TRIG)
中性脂肪のことでエネルギー源となります。
脂肪組織に取り込まれ貯蔵されたり、分解されて核細胞組織で利用されたりします。 長期間脂肪の多い食事を続けたり、生活習慣病(例えば肥満)などで体のエネルギー代謝が悪くなると数値が上がってきます。
中性脂肪は肝臓で合成されます。肝臓機能が低下するような場合には中性脂肪の合成能力も低下します。
肝臓機能の検査では中性脂肪の検査を行いますが中性脂肪は食餌の影響を受けやすく、食後は値が高くなります
TP

体全体のタンパク質の量を示します。栄養状態などがわかります。但し、血液に含まれるタンパク質にはたくさんの種類(200種類以上)があるので数値から判断ということはできません。
おおよその体の調子として、例えば腎臓病などでは尿にタンパクが出るため、血中のタンパク値は低くなることがあります。
また栄養状態が悪いときやケガなど出血がひどいときにも数値が低くなることがあります。
上がる場合は感染症や肝臓疾患、ガンなどが考えられます。

血糖値 食物をして摂取した糖質は肝臓を経て血中に出されます。この出された糖分の量の事を血糖値といいます。
血糖値は食餌以外でもホルモン分泌の異常やストレスなどでも値が変わってきます。
ビリルビン

ビリルビンは赤血球の中のヘモグロビンから作られる色素のことを言います。
ビリルビンは胆汁中に排泄され、十二指腸から便の中へ捨てられます。
そのためビリルビンが胆汁中に排泄される過程のどこかに異常があると、血液中にビリルビンがあふれ出しビリルビン値が高くなります。 黄疸とは血液中のビリルビンにより、皮膚や眼の粘膜など全身の組織が黄色くなった状態のことを言います。
ビリルビンの増加は赤血球の破壊(溶血)や、肝臓の機能の低下、肝炎や胆道閉塞など胆汁の排泄の障害などで見られます。 ビリルビン値が上昇しているにも関わらず、黄疸が見られないことがあります

 
 
マトクリット管という細い管に血液を入れます。それを高速遠心にかけて遠心分離し、赤血球容積率を調べます。
血液を血球成分と血漿成分に分けて、赤血球が何パーセントを占めるかを表したものです。赤血球の占める割合を知ることは、赤血球数を知るのとほとんど同じ意味を持ちます。
バフィーコートの層で、白血球や血小板の大体の量を知ることができます。 また、ミクロフィラリアもこの層に集まるので”ミクロフィラリア検査”もできます。
血漿の液体部分の色を目で見ることができます。溶血が起こっているかどうかがすぐにわかりますし、黄疸が出ているのも見えるときがあります。白く濁ると、脂血症です。
 
極度の貧血や大量出血などの場合、動物でも輸血が必要となります。
このときは人間でも適合する血液型があるように犬や猫でも血液が合うか確認する必要があります。
左図のように犬では9種類、猫では3種類の血液型があります。
例えば犬の場合、1・1型?1型とか1・−(マイナス)型?1型というふうになります。
猫は簡単です。人間と同じようにA型はA型から、B型はB型からということになります。
しかし、血液型を調べている子たちはほぼいないでしょう。ですから輸血が必要なときは輸血される子と輸血する子の血液を混ぜ合わせ大丈夫かどうか調べます。

輸血が必要となる病気には・・・・・
腎不全・肝臓疾患・ガン・血液の病気など
交通事故や出血を伴う事故やケガなどのときは体の血液が不足するため必要となります。

しかし、人間と違って血液バンクはありません。
事故やケガは飼主の注意で防げるものです。
また、腎不全やガンなども定期的な健康診断で早期発見すれば投薬・食事管理で進行を遅らせたり、手術で取り除くことができます。
生後1年までの子はできれば毎月、1歳〜4歳くらいまでは年2回、5歳を過ぎたら年4回くらいは動物病院で診察を受けましょう。