アミロイドーシスは糸球体腎炎の中でも別の型を持っています。アミロイドーシスではアミロイドいう不溶性タンパク質が腎臓などの組織に沈着し細胞に障害を引起こします。
腎臓は障害があってもかなり進行しないと症状が現われません。腎不全の症状が出たときはかなり進行した状態です。犬も猫も5歳を過ぎたら、年2回以上の健康診断で血液検査と尿検査をしてもらいましょう。健康なときから定期的に健康診断を受けるようにし、早期発見に努めることです。検査は主に、血液検査と尿検査です。病気になっていても食事療法、点滴、投薬などで腎臓機能を助け進行を遅らせることができます。飼主の日ごろの観察も大切です。
人の慢性腎臓病(CKD)が増えています。成人では1000万人以上が慢性腎臓病と推測されています。高血圧の方は特に注意が必要です。腎臓病と高血圧は相互に悪影響を与えます。高血圧が腎臓の働きを低下させ、腎臓の働きが低下すると高血圧が悪化するという具合です。飼い主様もペットも定期的な健康診断は必ず受け、病気の早期発見、早期治療が大切です。
腎臓の主な働きは(1)尿をつくる、(2)血圧の調整、(3)造血ホルモン(エリスロポチエン)の分泌、(4)ビタミンDの活性化。食べたのもから栄養分を吸収し、残った老廃物と余った電解質を体内の水分とともに尿として体外に出します。過剰なナトリウムを排出し、血圧の調整をします。血圧が下がりすぎるとレニンという酵素の一種を出してアンジオテンシンという血管を収縮させる物質を作り出して血圧を上げる働きをします。
腎臓の中には“ろ過器”のような働きをする糸球体(上図参照)と呼ばれる組織がたくさん詰まっています。糸球体は尿を作る一つの単位で、その先の動脈と静脈は細い血管の束になっています。この糸球体の壁はとても薄く、血液の中の老廃物や水分などを原尿として尿細管へ押し出します。この原尿の中には、まだブドウ糖やアミノ酸、電解質など体に必要な物も含まれています。この原尿から体に必要な物を選択し、再度血液の中に戻します。再吸収が終わり不要物だけになった尿は腎盂(じんう)に集められ、尿管へ流れて行き膀胱に溜まります。