
猫も犬糸状虫の終宿主です。
これまで猫は犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の通常の宿主にはならないと考えられてきました。しかし、最近の研究では、猫の犬糸状虫症はこれまで考えられてきた以上に各地に拡がっているとの報告が増えています。犬の犬糸状虫感染率が高い地域では猫の感染率も高くなります。猫は犬糸状虫の異宿主ではなく、発育の全段階を確認できます。
いままであまり問題にされなかったのは犬に比べて極端に低いその寄生率のためです。猫が犬糸状虫に感染するのは感染した犬を吸血した蚊が猫を吸血した場合がほとんどです。犬は保虫宿主ですが猫では血液中にミクロフィラリアが長期間存在することはまれなので保虫宿主としては向いていません。
しかし、 まったく感染しないのではなく犬に比べて感染される確率が低いということです。
猫のフィラリアとは
猫に寄生するフイラリアは体内で約21cmにもなります。心臓や肺の血管内に住み、血液の栄養分を吸収して生活します。脳など心臓や肺以外に寄生することもあります。わずか2匹のフイラリアが寄生するだけで突然死が起こることもある恐い感染症です。
感染した猫は呼吸困難や嘔吐を呈し衰弱します。 脈管内移行中の虫体や、虫体の死骸により肺動脈栓塞が誘発されます。 これまで不明だった猫の死亡原因の中には犬糸状虫によるものがたくさん含まれていたと考えられます。 猫のフィラリア症の診断は難しく、診断できてもよい治療法がありません。
猫の場合、症状が出てきたときはすでにフィラリアに体を蝕まれていることが多く、健康に見えても突然死することがあります。
- 多くの猫は犬糸状虫が寄生していても無症状のまま経過します。
- 症状を呈する場合でも、食欲不振、体重減少、嘔吐、咳、元気消失など他の病気でよく見られる症状です。
- 感染した猫の80%以上はミクロフィラリアを検出できません。
- 寄生成虫数が少ないので(6匹ほど)、診断が困難です
- 犬糸状虫が心臓部の右心室や肺動脈などの主要寄生部位から離れた場所に入ることがあるため、虫体は剖検で必ずしも検出できるわけではありません
咳が続き、食べないのに嘔吐するような猫ちゃんは要注意! もしかするとフィラリアに感染しているかもしれません。 犬のフィラリア症が多い地域では猫のフィラリア症も多くなっています。
症状には急性と慢性があります。 慢性の場合は咳と呼吸数の増加です。 急性の場合は呼吸困難・うつ・発作・喀血の他、何の症状もなかったのに突然死することがあります。 猫の場合、症状が出てきたときはすでにフィラリアに体を蝕まれていることが多く、健康に見えても要注意なのです。
猫のフィラリアの検査は血液検査、顕微鏡での検査です。
採血した血液1~2滴を低倍率の顕微鏡で観察します。ミクロフィラリアが血球の間で動いているのが確認できます。また、ヘマトクリット管で遠心した後、分離した血液成分の血漿層、特にバフィーコートのあたりを低倍率の顕微鏡でみるとミクロフィラリアが動いているのが観察できます。これらの検査方法では感染していてもミクロフィラリアを検出することはできない場合があります。それは、猫に寄生したミクロフィラリアが発育不良だったり、成虫になっても性成熟が完全でないためミクロフィラリアを産めず猫の体内に成虫はいてもミクロフィラリアがいないオカルト感染の状態であることと、寄生数が少ないことが原因です。
X線検査も病気の進行や症状の確認に有効な検査です。猫では主肺動脈が拡張しているため分かりにくいこともありますがフイラリア症が疑われる猫の診断となります。