
ワクチンは発病力を弱くした病原体(抗原)を動物の体に入れて免疫(抗体)を作らせ発病力の強い病原体の侵入を防ぐ方法です。
ワクチン接種は生まれて30日齢前後から数回のワクチン接種が行われますが、ワクチンの種類メーカーによって予防効果の大小、効果持続期間はいろいろで、すべての病気を100%予防できるわけではありません。お母さんからもらった抗体の量によっても接種回数や接種日齢は変わります。
また狂犬病ワクチン接種は犬の飼主に義務付けられています。毎年1回必ず受けましょう。各自治体での集団接種はだいたい4月ごろに行われます。集団接種に行かれない方は各々かかりつけの動物病院で必ず受けるようにしましょう。

ワクチンの接種で予防できる病気というのは、感染すると命にかかわるかもしれない恐ろしい病気です。これらの病気にかかる前に、ワクチンの接種で犬や猫の体の中に抵抗力をつけておき(抗体と呼ばれています)、万一感染しても体を守り発症しないように、または発症しても軽症で済むようにしておくことが目的です。子犬は、母親からの初乳を介して、母親の持つ免疫を譲り受けます。これを移行抗体と呼んでいますが、この抗体は一生続くものではありません。移行抗体が有効な時期はおおよそ45日~90日位迄で、徐々に効果はなくなります。この移行抗体の効力が切れる時期が、病期に対する抵抗力が失われる、大変危険な時期といえます。しかし、移行抗体の免疫がまだ少し残っている時期に、ワクチンの接種(1回目の接種)をしても十分な免疫効果を得ることができません。そのため、より確実に免疫を作るために、初回の接種の後1~4回の追加接種を行います。
12~15週齢に初年度のワクチン接種を行えば、従来型のワクチンでは移行抗体に阻まれてワクチネーションがうまくいかなかったこともほとんどなくなります。 移行抗体の量は個体差が大きく、まったく持っていない赤ちゃんから、12週を過ぎても充分に持っている赤ちゃんもいます。赤ちゃんがもらう移行抗体は、お母さんがどのくらいもっていたか、そして初乳をどれぐらい多く飲む事ができたかによるのです。つまり、移行抗体を持ってない子や少ししかもってない子はワクチンを早い時期に接種する必要があり、早くワクチンが効くようになります。 血液検査で移行抗体を調べる事はできるのですが、時間と費用の問題で迅速な対応ができないのが現状です。ゆえに、移行抗体が低くても高くてもきちんとワクチンに反応するようにワクチンのプログラムを立てなければなりません。
子犬の時期に正しいワクチンプログラムで接種を行ってもその効果が減退してしまう可能性があり、その結果、成犬になっても感染症にかかったり、場合によっては命にかかわる事態になりかねません。犬を一生に渡り伝染病から守るためには、年に一回の追加接種を行う事が必要です。年を取った犬にワクチンは必要かという質問を頂く事があります。いろんな意見がありますが、年をとればとるほど、免疫力が低下し、感染症にもかかりやすくなってしまうわけです。年を取った犬ほど感染症に気を配り、きちんとしたワクチン接種を受けるよう心がけてください。
犬のワクチンは、法律で義務ずけられている狂犬病ワクチンと義務ではないけれど接種が強く勧められるものの2つに分けられます。狂犬病は人と動物の共通の感染症で感染した動物に噛まれると移り、人間も発症すると死亡率が100%と言う恐ろしい病気です。任意のワクチンは動物がかかると症状が重く、命にかかわる上に国内で広く発生している感染症を予防する為のワクチンです。狂犬病ワクチンが、動物を介して人間を守るワクチンならこちらは動物自身を守る為のワクチンになるので接種が任意とは言え受けさせるべきものです。 ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」 の2種類があります。ワクチンは、感染性疾患に対し、免疫刺激を与えるものです。動物は、ワクチンに含まれる抗原に反応して免疫を産生します。 生ワクチン 「は、自然感染の原因菌とわずかに異なった種類の生菌からなり、病原性を発揮しませんが、それでも防御的免疫反応を刺激します。生菌ワクチンの微生物は、投与をうけた後、動物の体内で増殖して長期に持続する免疫反応を刺激します。 不活化ワクチン は、免疫反応を刺激するだけに充分な量の抗原を含んでいます。不活化ワクチンには、含まれる抗原に対する免疫反応を高める物質がありますが、通常、生ワクチンに比べると免疫力の持続性が弱くなります。
ワクチン接種前後の注意
人と同様、ワクチンによって副作用が出ることがあります。接種する種類や製造元、回数、時期については十分かかりつけの獣医師にお尋ねください。そして、担当獣医師から十分説明を受けたうえで、接種を受けるようにしてください。また、初めて接種する子はアレルギー反応や発熱などの症状が出る可能性があるので、なるべく病院が開く時間帯に予約を入れ、接種後何かあればすぐに動物病院に連絡が取れるようにするほうがいいでしょう。 接種後は運動は控えめに、当日のシャンプーなどもやめます。ゆっくり静養させてください。