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犬の股関節は後足のつけ根あたりです。(印参照)正常な股関節の位置は骨盤の乙凹部分(寛骨臼)に大腿骨の頭部分がしっかりとはまり込んでいます。股関節形成不全の場合はこの凹部分が浅く、大腿骨がしっかりはまらず不安定になっているか、大腿骨の形がゆがんでうまく骨盤に納まらないかです。多くの場合、遺伝的に大腿骨と骨盤のかみあわせがうまくいかず、股関節が不完全なことで起こります。他には肥満などで負荷がかかりすぎたり、骨格の成長速度に筋肉が未発達で起こルことも考えられます。このため小型犬より成長速度の速い大型犬で多く症状が見られます。
ほとんどは両方の関節で起こりますがまれに片側だけに起こることがあります。症状がひどくなると完全に股関節がはずれ股関節脱臼になったり、変形性の関節症を起こします。

発育の状態で症状も変わります。遺伝的に要素を持った犬は生後5ヶ月〜1歳で症状が現われます。通常は7ヶ月ごろですが肥満気味の場合は5ヶ月頃からに現われます。次のような症状があれば掛かりつけの獣医師に相談しましょう。但し、足の裏などにケガをしていた利することもあるのでよく調べてからにしましょう。同じ股関節形成不全でも見た目には分からないこともあります。かかりやすい犬種は特に毎日観察し歩き方の異常に気が付いたら早めに受診することです。
治療をしないでおくと病気が進行し、歩くことができなくなり寝たきりになってしまいます。

飼犬がこのようなことは
ありませんか?
● 散歩や動くことを嫌がり座り込んでしまう。
● 立ち上がったり座ることが上手くできない。
● 腰を振りながら歩いたり内股でおずおずと歩く。
● 階段の上り下りを嫌がる。
● 常に後ろ足をかばうようにしている
● ウサギのように両足をそろえて走る。
患者の約7割は遺伝的なものです。ペットショップなどで子犬を買うときは両親に遺伝要素がないかよく確認します。できれば両親の親まで調べることのできるペットショップやブリーダーからがよいでしょう。両親が健康でも子犬が大丈夫とは限らないからです。もちろん子犬の両親も分からないようなところからはおすすめできません。他には発症頻度の高い犬種は避けるなど、後で悲しい思いをしないためにも十分に検討して選びましょう。成長期に多く発生がみられるので1〜2歳時にはレントゲン検査を受けることをお勧めします。
治療は運動制限やダイエット(必ず獣医師の指導を守りましょう)のほか、症状に応じて痛み止めや炎症を抑える薬を使用します。薬が効かない場合は手術することもあります。回復後も食事制限などで肥満にならないようコントロールすることが必要です。

股関節形成不全は、レトリーバー種などに見られる先天性の病気です。骨盤にある凹部分に大腿骨がしっかりはまらず不安定な状態になっています。特に大型犬や肥満犬に傾向が見られます。猫にはほとんど見られません。

ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、ニューファンドランド
バーニーズ・マウンテンドッグなどに多発します。

 
 
 
 
 
前十字靱帯は膝の関節にある十字に交差した太い靱帯のことです。

膝関節がスムーズに動くように膝の関節には4本の大きな靱帯があります。そのうちの1本が前十字靱帯です。大腿骨の後ろ側(外側)から脛骨の前(内側)へ斜めに交差し大腿骨と脛骨を固定します。後十字靱帯は大腿骨の前側から脛骨の後ろへ斜めに交差しており前十字靱帯と後十字靱帯を横から見るとクロスしているように見えるので十字人体と呼ばれます。
靱帯は帯状の線維が束になっていてとても強くできています。しかし非常に強い衝撃や、なんども強い力が加わるとこの靱帯も損傷してしまいます。原因の多くは交通事故や激しい運動です。
膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬にも多く見られます。伏せの姿勢から急に立ち上がるときなど断裂を起こします。走っていて急に方向転換したり、ジャンプの着地時膝に強い力が加わるなどで損傷します。特に肥満で常に膝に負担がかかっている犬や高齢で靱帯が弱くなっている犬は起こりやすくなります。

前十字靱帯が断裂すると下記のような症状が見られます。しかし治療をしなくても数日経つと症状が改善したかのように普通に生活できるようになることがあります。一見よくなったと思いがちですが一度切れた靱帯が自然に元通りになることはありません。そのままにすることは絶対にしないで直ぐに獣医師に診せるようにします。そのままにしておくと他の組織まで損傷してしまうことになります。進行すると膝関節が変形し歩行異常が残ってしまいます。
    ● 断裂した足を地面につけないか歩くときに足先が少し触れる程度
● 後ろ足に体重をかけられず、足を引きずりながら歩く
● 足を伸ばそうとすると痛がる
● 膝関節が腫れ、熱を持つ
中型犬以上と靱帯が完全に断裂している場合は手術画必要です。前十字靱帯は自然に治癒することはありません。ただ、部分的な断裂や小型犬の場合は手術をしないで痛み止めや基部巣などを使用して固定し安静にします。いずれにしても上記のような症状がみらられば直ぐに診察を受け適切な治療をすることです。遅れると傷害が残る可能性が高くなってしまいます。片方の靱帯を切るとそちらの足をかばうために反対側の足に負担がかかり、もう一方も断裂するというケースが多いいので回復した後でも注意が必要です。
肥満は原因の一つです。運動制限とともに体重コントロールも大切です。また、肥満は関節だけでなくさまざまな障害の原因にもなります。子犬の頃から肥満に注意することも飼主さんの大切な義務です。

前十字靱帯は膝の関節がスムーズに動くように、激しい運動や衝撃でも動き過ぎないように膝を安定させています。犬の関節障害の中でも、最も多く見られる病気です。