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パスツレラ

パスツレラ

原因

原因菌はパスツレラ菌(Pasteurella multocida)です。犬・猫からの感染が原因となるパスツレラ症は4種類の菌が確認されています。哺乳動物の保菌率はうさぎ、猫で100%、犬で75%と非常に高いものです。

うさぎ、猫の口腔内には100%存在しています。犬にもほぼ同じくらい存在します。

ネコ科やイヌ科動物、そしてウサギでは口腔内の正常細菌と考えられます。ウサギの体表や小鳥においても正常細菌叢として常在します。

ネコには前肢の爪にも25%存在しますが、これはネコがグルーミングするときに口腔内から移行したものと思われます。犬の爪にも常在しています。

 

感染

感染した犬。猫に咬まれたり、引っかかれたりすることで傷口から感染。

また口腔内に菌を保有しているので過剰なスキンシップやお箸・スプーン・食器の共有などからも感染します。

ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ヤギなどの家畜やウサギが症状を出すときは免疫が落ちているときで重症化するため注意が必要な動物とされています。

飼育動物からの感染症の中で最も症例数が多い感染症です。

 

症状

通常イヌ・ネコは何の症状もありませんが喧嘩などの外傷から化膿することはあります。まれに肺炎を起こすこともあります。

人が感染するのは咬傷、掻傷の外傷からで手・足・顔の順になっています。発症後、リンパ節の腫脹や外傷部位が化膿することがあります。潜伏期間は、受傷後、数時間から約二日間で、動物にかまれたり、なめられたりしたときも含め、医師にその旨を必ず伝えなければ、診断が難しいものになります。

稀に外傷の治療が適切でない場合には完治するのに数ヶ月かかることもあります。

もう一つの感染経路は過剰な接触などが原因の呼吸器系疾患で、気管支拡張症、結核、悪性腫瘍などがある患者さんでは感染しやすくなります。

風邪のような症状から重くなると肺炎になることもあります。インフルエンザと誤診されることもあるので、動物との接触は必ず医師に伝えてください。

風邪のような症状から重くなると肺炎になることもあります。

 

予防

動物の常在菌なので、動物の予防は難しく特にありません。

人が感染しないためには、かまれたり、引っかかれたりしないこと、傷口や粘膜を動物になめられないようにすることが重要となります。飼育動物との過剰なスキンシップ(キスや食べ物・食器の共有)を避け、爪切りや口腔内衛生(歯石や歯垢などの除去)の日ごろのケアが大切です。