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Q熱

Q熱

原因

原因菌はコクシエラ菌(Coxiella burnetii)です。病原体は0.2~0.4×1.0μm、感染力が強く慢性Q熱を発症するI菌と感染力が弱く急性Q熱を発症するII菌があります。

但しどちらもQ熱への感染力が強くたとえ1個でも人に入ると感染・発症を起こすことがあります。

生物兵器としての研究が進められたほど強い病原体です。動物の体内に住み環境に対する抵抗力が非常に強く、乾燥状態でも長期間生き続けます。

病名は1935年オーストラリアで発生した原因不明の熱性疾患”query”から名づけられました。

日本では存在しないと考えられていたQ熱ですが現在患者発生件数が年々増加傾向にあります。

海外では飼犬などの同居動物や家畜を介して集団発生したという報告があります。

 

感染

感染した動物に寄生したマダニが他の動物に寄生することで感染させます。人には感染した犬、猫と接触することでも感染します。

感染したウシ、ヒツジ、ヤギなどの生乳、乳肉製品を食べることでも感染する可能性があります。

感染源が特定できない場合が多く、感染動物の10-15%が症状がない保菌状態(不顕性感染)であるため有効な予防法はありません。症状がない場合、人への感染源と特定されない限りは動物は治療されません。

 

症状

動物が感染しても軽い発熱程度です。しかし、糞便などに長期間病原菌が排泄されます。

妊娠中は死産や流産を起こすことがあります。排泄された胎盤にも病原体が含まれるので注意が必要です。

 

人の場合、初期では微熱が一ケ月以上続く、慢性疲労、睡眠を十分にとっていても寝不足と感じるなど。

急性期になると急激な発熱(38℃以上)やそれに伴う悪寒、筋肉痛、激しい頭痛、下痢や腹痛、嘔吐、食欲不振、全身倦怠感など。

皮膚発疹や髄膜脳炎、腎臓障害、眼神経炎なども発症することがあります。やがて慢性期になり骨髄炎、心内膜炎、慢性肝炎、アミロイド症などを発症します。

慢性のQ熱になった患者は約65%が死亡。