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猫ひっかき病

猫ひっかき病

猫にかまれたりひっかかれたりした後に発症します。のみからも感染し、世界各国で発生が見られアメリカでは年間4万人もが感染しています。日本では病気自体がまた知られていなく診断に特殊な検査が必要なこと、さらに感染している犬や猫が無症状なため関連づけにくく報告件数は少ないと考えられています。

 

原因

原因菌はバルトネラ菌(Bartonella henselae)です。ネコノミが媒介する0.3~0.5μm×1~2μmの稈菌です。

 

感染

犬や猫への感染はノミが媒介していると考えられます。これについてのデータは下記の通りです。

猫の5-20%が保有しているといわれています。

猫が感染源とされたのは猫との接触歴のある人でのB.henselae抗体保有率は12.5%と接触歴のない人(2.3%)に比較し、結果として高い値になったことから猫が本病の感染源になっている可能性がでました。

この結果は犬や猫の間をノミが媒介していることを示唆しているだけではなく、ノミが私たちヒトを吸血することにより直接本菌を媒介している可能性も考えられます。

【猫ひっかき病】は猫の引っ掻き傷からリケッチア(Bartonella henselae)が感染することによって起こる病気です。

猫引っかき病患者の90%が猫と接触しています。特に子猫からの感染が多く報告されていますが犬や猫だけでなく他の飼育動物についても調査する必要があります。

猫が感染源とされたのは猫との接触歴のある人でのB.henselae抗体保有率は12.5%と接触歴のない人(2.3%)に比較し、

結果として高い値になったことから猫が本病の感染源になっている可能性がでました。

実際に猫および犬でのB.henselae汚染状況を調査すると口腔スワブから病原体遺伝子が猫では20.0%、犬では12.5%検出されたのです。

このように犬よりも猫のほうがB.henselaeに感染しているという結果でしたが、犬でも8頭に1頭は本菌を保有しており、

猫だけではなく犬を含めた他のペットも予防する必要があります。

 

症状

典型的な症状は引っ掻かれた後1~3週間後に見られる痛みを伴った局所リンパ節の腫脹で数ヶ所になることもあり約3ヶ月間続きます。

皮膚に丘疹や紅班がみられることもあります。微熱、倦怠感、悪心、嘔吐、頭痛などを伴います。

そのほかには持続性の不明熱、心内膜炎、肺炎、稀に脳炎や脳症など重症で多様な全身症状を引き起こす場合があります。

0.25%に脳症を併発することがあり、リンパ節腫脹の1-3週間ごに突然のけいれん発作や意識障害がでます。また、不顕性した場合「引きこもり」や「うつ病」症状を起こすことがあり、「うつ病」の原因にもなります。

特にお年寄りや小児では重症化するケースがあり、ペットの飼い主、獣医療に携わるものにとって注意を払うべき感染症のひとつです。

特にお年寄りや小児では重症化するケースがあり、ペットの飼い主、獣医療に携わるものにとって注意を払うべき感染症のひとつです。

 

予防

ペットブームの中で猫引っかき病の症例報告が増えています。子供や老人といった抵抗力の弱い人だけでなく、成人の重症例も報告されています。

小児やお年寄りといった抵抗力の低い人たちは注意が必要ですが、特に小児の不明熱の原因としてB.henselaeは重要です。

実際にB.henselae感染症の確定診断をうけた症例の30%では7~40日間続く不明熱が観察されており(典型的なリンパ節の腫大がない)、

また小児の不明熱の原因としてEBウイルス感染症、骨髄炎、に次いで第3位にB.henselae感染症が報告されています。

このように小児に原因不明の持続熱が見られ、猫との接触歴がある場合、ネコひっかき病を必ず疑うべきです。

また、小児やお年寄りのいる家庭では本症に対する対策を十分に行う必要があります。

飼い猫や飼い犬は感染していても無症状なため、ご年配、新生児や持病など免疫力が低下している方と同居する場合は、ノミの管理を十分行い心配な場合は動物病院に相談し愛猫・愛犬の血清診断をお願いすることをお勧めします。