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避妊手術

去勢・避妊は飼い主の愛情

育てることができないなら、自然だからと産ませないで!!

育てる意思がない、生れても育てることはできない、小さいときはかわいいけど・・・・・と思うあなた、

動物に悲しい思いをさせないためにも、あなたの今の事情でどうすることができるかを考えてください。[去勢・避妊]は動物にとって可哀そうなことではありません。むしろ、望まれずに生れてきた子や飼えなくなったと捨てられる子の運命を考えれば、ず~っと幸せなことです。
それだけではありません。睾丸摘出・卵巣子宮摘出手術は望まぬ子犬・子猫を増やさないという目的以外に、動物の行動や性格の面でプラスになる効果があります。

なお、犬・猫の去勢・避妊手術について費用補助をしている自治体もあります。猫の場合、飼い猫だけでなくノラ猫にも補助が出る場合もありますのでそれぞれの担当課でお聞きください。アイン動物病院のある吹田市では毎年先着250頭分ほどに補助が出ます。ノラ猫にもでます。申請用紙は市内の動物病院・市役所おいてにあります。ご利用ください。

去勢・避妊によるメリット

睾丸摘出、卵巣子宮摘出手術は望まぬ子犬・子猫を増やさないという目的以外に、動物の行動や性格の面でプラスになる効果があります。

手術の時期は、推奨されるのは、生後3~5ヶ月の間、発情がくる前です。(5~12ヶ月で発情が始まります)
その理由は、将来起こる可能性の高い病気、問題行動、ストレス、肥満の予防になるからです。

病気予防 乳腺腫瘍の(犬の場合は約50%、ネコの場合は約90%が悪性)リスクを、早期卵巣子宮摘出術により、犬ではほぼ100%予防することが可能で、猫では7分の1まで危険率を下げることが可能なのです。卵巣と子宮の病気も、摘出してしまうので、完全になくなります。 最初の発情前に手術をした場合、乳腺腫瘍の発症率0.5%、一度発情期を迎えた後に手術をした場合、8%となり遅くなるに従ってリスクは大きくなります。

雄猫の場合、ケンカが少なくなるので、ケガなどが減りそれに伴う感染症の予防にもなります。
問題行動 ホルモンが誘発することに起こる問題行動などの危険性を減らすことになります。
攻撃性は男性ホルモンでも女性ホルモンでも誘発されます。また発情などによる精神不安定も予防できます。

支配による攻撃性が現状維持できます。子供のままの性格が保たれ犬のコントロールがしやすくなります。また、発情前に手術すればマーキング行為がなくなり、発情後の手術は少なくなることが期待できます。 雌犬では発情時のストレスがなくなります。発情時の出血(生理)がなくなり、雄犬が近づきません。防御(子供などを守る)による攻撃性が低下します。

雄猫の場合、発情前の手術であればマーキング行為(スプレー)がなくなり、発情後であれば少なくなる事が期待できます。 雌猫の場合、犬と同じように発情時のストレスがなくなり、交尾排卵による回帰発情もなくなります。また、発情時の異常な鳴き声がなくなり、手術した時期の幼い性格が維持されます。
肥満 従来、避妊手術が、肥満を引き起こすといわれていたのは、発情等ホルモン活動が活発なときに(日本では発情中や発情後すぐの去勢・避妊手術が多かった)手術をしていたため、ホルモンの不均衡が起こりやすくなったためです。それでも避妊手術による肥満率は10~25%以下です。
去勢・避妊手術をして肥満になる理由は、中性化することで精神が安定します。そのために、運動量が減り、食欲が増します。ホルモン依存によるものは少ないのです。逆に、青年期に発情が起こる前に卵巣子宮摘出手術や睾丸摘出手術をすることにより、ホルモンのアンバランスを事前に防ぐことができるため、肥満の予防にもなります。

従来いわれていたデメリットも、現在はその関係が否定されております。
たとえば、「稀ではありますが手術後、尿道のしまりが悪くなり尿漏れを起こすことがある」などです。 いずれにせよ、睾丸摘出と卵巣子宮摘出手術のメリットは、健康上、行動学上、社会的にもいろいろあります。健康の面からで言えば、精神的な安定と一生涯子供のときと同じホルモンレベルが維持される可能性が高くなります。

 

避妊手術について

雌の避妊手術にはいろいろな方法があります。アイン動物病院では【卵巣子宮摘出手術】をお勧めしておりますが、飼い主様の考え、動物の状態もありますのでかかりつけの獣医師とよく相談してください。下記は主な手術方法です。手術は3ヶ月齢くらいでも可能です。

手術  
卵巣子宮摘出手術 卵巣と子宮をすべて摘出します。当院がもっともお勧めする方法です。
卵巣摘出手術 卵巣だけを摘出します。子宮に関しての病気は予防できません。子宮内膜症や腫瘍になる場合もあります。
子宮摘出手術 子宮だけを摘出します。卵巣は残るため発情等、ホルモンは分泌されます。
卵管結さつ手術 卵管を糸で縛ります。卵巣も子宮も取り除きません。卵が子宮に降りないため妊娠はしません。したがって、卵巣や子宮やホルモン関係の病気の予防にはなりません。
インプラント手術 皮内に、ホルモンを埋没させ、それにより発情をコントロールする方法です。 病気の予防にはなりません。どちらかというと、弊害のほうが多いようです。

インプラント手術のメリットは手術が短時間で済むことと、 将来的に子供を産ませたい場合、インプラントしたものを除去することによって妊娠が可能になります。
デメリットは卵巣や子宮は残ったままですのでインプラント した薬剤による副作用の危険性が有ります。
発情期はホルモンの変動によって、感染を受けやすくなったり、行動的にも攻撃性が上がるなどの問題を持つ場合もあります。

 

去勢手術について

去勢手術は精巣(睾丸)を切除することです。雌と比べて短時間で済み、簡単な手術です。ただし、 停留睾丸 (注参照) の場合は、切開手術が必要になります。 (通常は睾丸が陰嚢の近くにあるかおさまっているのが正常です。) 但し、簡単といっても全身麻酔をしますので動物にとっては大変なことです。手術についてはかかりつけの動物病院によく相談しましょう。

注)停留睾丸
睾丸が1つあるいは両方が陰嚢まで到達しない場合がありこれを停留睾丸と呼びます。睾丸は通常生後2ヶ月以内に陰嚢に下りていなければ、それ以降下りることはありません。停留する場所は、腹腔内にある場合、鼠径部にある場合等のケースがあり、停留睾丸の腫瘍発生率は正常な睾丸の10倍以上あると言われてます。良く見られるのは、右側の睾丸が鼠径部(お腹と足との境目)に停留するパターンです。

 

性ホルモンについて

睾丸摘出・卵巣子宮摘出手術のメリットは男性ホルモン支配・女性ホルモン支配による行動をおさえます。(一生、子供と同じホルモンバランスで過ごせるため。)
犬も人と同様、母体で生を受けた瞬間から、男であるか女であるかが決定されます。即、性発動が起こってから性が支配されるわけではありません。男らしさや女らしさはもって生まれたものなのです。
発情によりそれがより強化され、ホルモンの不均衡が始まるわけなのです。
そのため、年をとりそのホルモンの優位性やバランスが崩れると色々な問題が起きるわけです。
早期に睾丸摘出・卵巣子宮摘出をしていれば、このホルモンバランスを子供のときと同じレベルで維持する事ができるのです。
現在、人でも個人での性の不一致ということが認知され始めました。
動物も同様に、雄らしくないとか雌らしくないということがあります。
それは、その個体がお母さんの胎内にいるときのホルモン支配やレベルに密接に関係しているのです。
男性より女性のほうがおわかりいただけると思いますが、性ホルモンの変動により精神状態や体にストレスがかかるのです。睾丸摘出や卵巣子宮摘出術をしても、性格は変わりません。
行動も変わりません。しかし、ホルモンが影響し強化される行動はましになります。
雄の場合は、攻撃性が少なくなりますが性格が変わるわけではありません。
やんちゃな子がおとなしくなるということはありませんので念のため。雌の場合は発情期のストレスが無くなり、散歩中に雄が近づくこともなくなります。
ネコの発情期の泣き声も発情前の早期に手術すればほとんど気になることはありません。

避妊手術Q&A

避妊手術はいつまでにすればよい?また、どのような手術になりますか?
傷は小さいですが、卵巣と子宮の全摘手術を行います。
生後五か月以内を推奨しています。
避妊目的以外でのメリットはありますか?
子供を産まさないようにする・・・というよりは、将来的な病気の予防と、 精神衛生(行動)に重きをおいています。
また、一部でのデータですが、肥満防止効果も報告されています。
避妊をすることで、性格や成長に影響は出ますか?
子供のまま、女の子の体の状態で一生を過ごせるということです。
よく、「おなべになるの?」「攻撃性が出るのでは?」という質問をいただきますが、性格は変わりません。また、大人になる前に手術することで、「ちゃんと成長しないのでは?」という意見も聞きますが、統計的・科学的には世界中で否定されています。
どのような避妊手術法がありますか?

最近、「腹腔鏡手術が傷が小さくて体にやさしい」と聞くのですが、というご質問をよく受けます。

卵巣子宮摘出術で、通常の外科手術と、腹腔鏡手術を比較した場合、20kg以上のワンちゃんでないと、 手術の傷口は小さくありません。

通常の腹腔鏡手術は、3か所に「穴」をあけます。その穴から、腹腔鏡、操作するための器具、取り出した臓器を引き出す器具を操作することになります。この穴が通常直径で、約3cmです。
つまり、3×39cmの傷を作ることになります。最新のものでも、最低で1.5cm~2cmです。

当院の卵巣子宮摘出術の場合、生後6か月以内で20Kg以下のワンちゃん、もちろん猫ちゃんも、 傷口(切開部)は1.5cm以下です。
10kg以下のワンちゃん猫ちゃんの場合は、傷口(切開部)は、1cm以下です。

また、麻酔時間も、腹腔鏡手術のほうが長くなります。準備から含めると、約3~4倍かかるといわれています。
当然、麻酔の金額や生体反応のモニター時間も長くなりますから、その分金額も上がります。

では、なぜ、他の動物病院と、卵巣子宮摘出術の傷口の大きさが違うのでしょうか?

一つは技術。
卵巣子宮摘出術(避妊手術)と、睾丸摘出手術(去勢手術)は獣医学の外科手術の基本動作をすべて含みます。

卵巣子宮摘出術に始まり、卵巣子宮摘出術に終わる。と、一部の獣医師では言われています。
料理などで、「卵焼きに始まり卵焼きに終わる」になぞらえたものです。
獣医師になり、初めて自分でする手術が、睾丸摘出術や卵巣子宮摘出術です。

一つは、手術月齢。
5か月以内であれば、ほとんどの犬種で、1cm以下の傷口で卵巣と子宮の摘出ができます。

年齢を重ねて手術をする場合、せっかくお腹をあけるのだから、腹腔内臓器を目視して、病気がないかを確認するために大きく開腹するということがあります。
これは間違いではありませんが、腹腔内臓器を移動させたり、空気に触れさせるわけですから、 癒着を起こす危険性もありますし、すべての臓器を目視できるわけではありません。

今では、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などで、腹腔内臓器が異常のないことを確認したうえで、卵巣子宮摘出をするのであれば、卵巣と子宮以外を触ったり、腹腔外へ出す必要はありません。

しかし、卵巣疾患、子宮疾患等になってからの手術では、そうはいきません。
予防的手術が重要なのはこのような理由もあるからです。

また、腹腔鏡を使って避妊手術をする獣医師のなかには、卵巣摘出術(卵巣のみの摘出)を推奨している方もおられます。
それは、卵巣摘出だけでも、子宮疾患の発生が少ないという数少ない論文データーによって、エビデンス(根拠)があると主張されています。

しかし、現実的にはどうでしょうか?
以前、日本においても、卵摘手術といわれ、子宮を取らずにに避妊手術が広く行われていたようです。
私も経験がありますが、卵摘だけの避妊手術をされ、子宮疾患・子宮蓄膿症を罹患している例は、 少なくありません。
当時は、病気の予防という観点で はなく、”避妊”つまり、子どもを産まなくなればいいという視点で手術をしていました。

ですので、卵摘のみの避妊手術はお勧めできません。せっかく、麻酔をかけ、予防的に避妊手術をするのですから、卵巣子宮全摘出術をされる方が、将来的にも、安全で、安心です。
卵巣子宮摘出でも、卵巣摘出でも傷口の大きさは当院では変わりません。
手術時間は卵巣摘出より卵巣子宮摘出の方が15分程度長くなるだけです。

世界的にも生後5か月令前の、卵巣子宮摘出術/睾丸摘出術は推奨されており、この時期の手術も高齢患者に比べて、より早く簡単で、患者の回復も早く合併症が少ないことが確認されており、行動学的にも推奨されています。

そして、過去20年以上の研究から、性的成熟前の不妊手術の生理学的な悪影響は全くないか、あってもごくわずかであることが証明されています。
アイン動物病院では、開業以来(1993年~)、この早期手術を推奨しており、実績もあります。