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飼育環境と食事管理

爬虫類の栄養

爬虫類はその種類、生息環境、大きさなどで飼育方法が異なり、与える食事も多様になります。飼育する爬虫類で問題になることの一つに栄養障害があります。ほとんどは飼い主様の勉強不足による飼育方法の間違いや、適正な食事を与えなかったことによるものです。

 

飼育環境との関係


爬虫類の体温は環境温度に左右されます。環境温度が上昇すれば体温も上がり、下がれば体温も下がります。そのため飼育環境が栄養補給の上で重要になってきます。適度な温度と湿度であれば活動し食欲もあります。低すぎると活動は鈍くなり食欲も衰えてきます。あまり低くなると冬眠状態に入り、飼育下では危険です。

多くの飼い主様は市販のケージ類とそれぞれに必要な器具を設置して飼育されています。しかし単独で飼っている人、ペアで飼っている人、何匹かを一緒に飼っている人など飼育方法はさまざまでしょう。爬虫類は縄張りを持っています。ですからそれぞれが自分の好きな場所で過ごせなかったり、食事が好ましくなかったりするとストレスとなり食欲低下やひどい場合は絶食することにもなります。

もともと爬虫類の多くは厳しい自然の中で生き抜くために数週間から数ヶ月間もの長い間食事を取らなくても耐えられるようになっています。飼育下で気に入らないことがあればたとえ好きな食事を与えても絶対に食べないこともあるのです。そうなると衰弱し病気になってしまいます。

 

爬虫類食の事管理と栄養障害

飼い主様の多くは市販されている爬虫類用の食事を与えています。例えば、カメ用ペレットにはカメが必要とされる栄養素が含まれています。肉食・雑食性の爬虫類を飼っている飼い主様もマウスや金魚などの生き餌を一緒に与えたりしているでしょう。
実際、爬虫類の食事はできる限り多様なものを与えるべきです。しかしそれで十分ということではありません。

どの栄養素をどのくらい必要としているか分かりますか?種類を与えたからといってすべての栄養素が満たされていることにはなりません。与える場合は食物の成分比率も知っておくことです。また、種によっては与え方にも工夫が必要です。犬や猫のようにフードを容器に入れてやればいいのではなく、野生下のように捕食させることも食事管理の中で重要になります。

爬虫類は食事に関してとても神経質です。好物だからと飼い始めた小さい固体に大きな食物を与えたりすると食事を受け付けなくなることがあります。同じ設備で多頭飼育している場合は食事も量も問題になります。全体にいきわたる量の食事でなければ弱い固体は食べることができません。強い仲間に食べられることもあるのです。


食事の内容が悪ければ栄養障害を起こします。短期間であれば問題もありませんが大抵はそういう食事を長期間与えるものです。食事管理を間違えると栄養不足にもなりますが全く食事を受け付けずに餓死させることにもなります。何度も言いますが爬虫類は食事にうるさいです。気に入らなければ死んでも絶対に食べません。反対に何でも食べるけれど栄養素が不足していることもあります。栄養添加物があるのでたっぷり与えたりすると他の栄養障害を招いたりもします。食事管理は必要なものを必要なだけ与え、それを食べてくれることです。

爬虫類のフードが市販されていますがカメ用、トカゲ用だからといってどの種にもあうわけではありません。ドッグフードやキャットフードを与えるといいという人もいますが長期間与えると障害が出ます。また、草食性の爬虫類には消化不良などを起こすので与えてはいけません。リクガメにアルファルファが主成分のウサギ用ペレットを床材として使用したりします。信頼できるメーカーのフードであれば粗タンパク質、粗脂肪の最小含有率、粗繊維、水分の最大含有率が記載されています。何も記載されていないようなフードは避けるべきです。

サプリメントはうまくいく場合といかない場合があります。ビタミン(脂溶性・水溶性とも)、微量のミネラル、ビタミンD3を含んだものを与えましょう。カルシウムが必要な場合は石灰石やカルシウム塩、骨粉などで与えます。